社用車を数台持ったら決めること:鍵・点検・給油・事故対応
社用車が1台から数台に増えると、「誰がいつ使ったか分からない」「点検が誰の担当か曖昧」といった穴が出てきます。専任の管理者を置けない規模でも回る、最小限のルールの決め方をまとめました。
- 記録・現場
- 最終更新 2026-08-13
- 読了目安 約8分
- 全 9 セクション
社用車が1台のうちは、誰が使うかも、いつ点検したかも、頭の中で足ります。ところが2台・3台と増え、使う人が複数になった途端に「今どこにあるか分からない」「点検は誰の担当だったか」という穴が空きます。専任の管理者を置ける規模ではないからこそ、決めごとを少なくして仕組みで回す必要があります。この記事では、小規模事業者が最初に決めておくべき4つを整理します。
台数ではなく「共有が始まったか」で考える
仕組みが必要になる分かれ目は台数ではありません。1台を2人以上で使い始めたときです。専有しているうちは、鍵の場所も前回の給油も本人が覚えています。共有した瞬間に、その記憶は誰のものでもなくなります。
逆に言えば、車が5台あっても1人1台で固定されているなら、必要なのは共有の仕組みではなく、担当者ごとの点検の習慣です。自社がどちらなのかを先に見極めると、作るべきものが変わります。
決めること1:鍵と「今どこにあるか」
最初に手を付けるべきはここです。事故や故障ではなく、日々いちばん時間を溶かすのが「車を探す・鍵を探す」だからです。
凝った仕組みにしないことがコツです。記入が3秒を超えると、急いでいる日に飛ばされ、飛ばされた記録は信用されなくなり、やがて誰も見なくなります。
決めること2:点検を「誰が・いつ」やるか
点検の中身より先に、担当と実施のタイミングを決めます。中身は 社用車の日常点検のやり方 にまとめたとおりで、慣れれば5分ほどです。続かない原因は手間ではなく、「いつやるか決まっていない」ことにあります。
車両1台につき担当者を1人
全員の共同責任にすると誰も見ません。必ず個人名で決めます。
既にある行動に結びつける
鍵を取るとき、朝礼のあと、給油のとき。独立した作業として並べると必ず後回しになります。
共有車は「その日最初に乗る人」
担当者を固定できない車は、実施者をその都度記録する方式にします。
決めること3:給油とコストの見え方
給油は「いくら使ったか」より、走行距離とセットで残すと価値が出ます。給油時の総走行距離を一緒に記録しておくと、車両ごとの燃費が出て、次のことが見えます。
- 燃費が急に落ちた車=タイヤの空気圧や整備の必要性のサイン
- 走行距離に対して費用が突出している車=入れ替えや用途変更の検討材料
- ガソリン代の按分が必要なときの根拠
領収書を貼るだけの運用だと、月末に金額を合計して終わりになり、車両ごとの傾向は最後まで見えません。給油のたびに距離を1つ足すだけで、同じ手間が分析可能なデータに変わります。
決めること4:事故・故障が起きたときの連絡順
これは「決める」というより紙1枚を車内に置く作業です。事故直後は誰でも判断力が落ちます。順番が書いてあるかどうかで、その後の手続きの負担が変わります。
- 負傷者の有無の確認と救護
- 警察への連絡(人身・物損にかかわらず届出が必要とされています)
- 社内の連絡先(担当者名と携帯番号を実名で)
- 保険会社の事故受付番号
- レッカー・ロードサービスの連絡先
あわせて、社内では発生日時・場所・運転者・相手方の有無・警察への届出の有無・損傷状況・その後の対応を当日のうちに残します。数日経つと記憶は曖昧になり、保険や修理の手続きで必ず困ります。
台数が増えたときに確認すること
使用する自動車が一定台数以上になる事業所では、道路交通法で安全運転管理者の選任が義務づけられているとされています。対象となる台数の数え方(定員の多い車の扱い、自動二輪車の換算など)や届出の方法は事業所単位での判断が必要なため、警察庁や各都道府県警察の案内で自社が該当するかを確認してください。
選任義務がある事業所では、運転前後の酒気帯びの確認とその記録の保存も求められるとされています。この分野は制度改正で要件が変わってきた経緯があるので、本記事のような一般的な解説ではなく、必ず最新の一次情報で確認してください。本サイトは法令遵守を保証するものではありません。
記録をどこに置くか
4つのルールが決まったら、残す場所を決めます。紙・エクセル・スマホの向き不向きは 日常点検の記録簿の付け方 で比較していますが、社用車まわりに限れば次の分担が現実的です。
- 点検の記録:運転者本人がその場で入力できる形。車両日常点検簿 は車両に貼ったQRをスマホで読み取り、異常があった項目だけを選ぶ方式で、管理者側は本日の点検状況と当月の点検簿PDFを見られます。
- 使用・給油・事故の記録:追記していく台帳の形。小規模台帳 は用途に合わせたテンプレートで台帳を作り、エントリを追記してPDF・CSVで出せます。
どちらも、まずは1台・1か月だけ試して、書く項目が多すぎないかを確かめてから広げるのが安全です。
車両日常点検簿・小規模台帳
点検はQRで運転者がその場に記録、使用・給油・事故は台帳に追記。どちらもPDF・CSVで出力できます。
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よくある質問
社用車の管理は何台から仕組みが必要ですか?
安全運転管理者は選任しなければいけませんか?
社用車の私的利用はどう扱えばいいですか?
車両の使用記録は毎回書かないといけませんか?
アルコールチェックの記録も必要ですか?
事故が起きたとき、社内では何を残すべきですか?
この記事で使えるツール
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、税務・法務・会計上の助言ではありません。 制度や要件は変わることがあります。重要な判断は、必要に応じて専門家にご相談ください。