社用車の日常点検のやり方:項目・頻度・記録の残し方
日常点検は「どこを・どのくらいの頻度で見て・どう残すか」が分かれば難しくありません。運転席・エンジンルーム・車まわりの3か所に分けた進め方と、無理なく続く記録の方法をまとめました。
- 記録・現場
- 最終更新 2026-08-13
- 読了目安 約8分
- 全 8 セクション
社用車の日常点検は、安全のためだけでなく、トラブルやコストの早期発見にもつながります。とはいえ「どこを見ればいいのか」「毎回きちんと書くのは大変」で、形だけになりがちです。この記事では、点検の進め方を3か所に分けて整理し、無理なく続く記録の残し方までまとめます。
日常点検とは
日常点検整備は、道路運送車両法で定められた点検で、走り出す前に自分の目と手で車の状態を確かめるものです。車検(継続検査)や法定点検のように整備工場で受けるものではなく、使う人が短時間で行う点検にあたります。
具体的な点検項目は道路運送車両法施行規則の別表で定められており、車種や事業形態によって内容が異なります。本記事は一般的な整理なので、自社に適用される点検項目・実施義務については、国土交通省の案内など一次情報をご確認ください。
頻度は「事業形態」で変わる
混同されやすいのがここです。すべての車が毎日点検を求められるわけではありません。
事業用自動車(緑ナンバー)・レンタカー・一定の自家用貨物自動車など
運行の開始前に、1日1回行うこととされています。運行前点検が日々の業務に組み込まれる形です。
運行前に毎回自家用乗用車など
走行距離や運行時の状態などから判断した、適切な時期に行うこととされています。毎日でなくてよい代わりに、判断が事業者側に委ねられます。
適切な時期に白ナンバーの社用車も日常点検の対象ですが、上のとおり頻度の考え方が異なります。送迎車や配送車を毎日動かしている事業者であれば、実務上は「運行前に毎回」を基本にしておくと安全側です。
やり方:3か所に分けると漏れない
点検項目を一覧で覚えようとすると抜けます。「運転席」「エンジンルーム」「車のまわり」の3か所を回る順番で覚えるのが実用的です。慣れれば5分ほどで終わります。
- 1運転席に座って
- 2エンジンルームを開けて
- 3車のまわりを一周して
運転席に座って
- ブレーキペダルの踏みしろ、効き具合
- ワイパーの動き、ウォッシャー液の出方
- エンジンのかかり具合、異音・異臭がないか
- 警告灯が点いたままになっていないか
エンジンルームを開けて
- エンジンオイル量
- 冷却水量
- ブレーキ液・ウォッシャー液量
- バッテリー液量
いずれも「上限と下限の間に入っているか」を見ます。減りが早い項目があれば、それ自体が不具合のサインになることがあります。
車のまわりを一周して
- タイヤの空気圧・亀裂・溝の残り・ナットのゆるみ
- 灯火類、方向指示器の点灯(ブレーキランプは壁や後続車の反射で確認)
- 外装の傷・破損
- 車内の忘れ物、積載の状態
「異常があった項目だけ」で続ける
毎回すべての項目に丸をつける方式は、続かず形骸化しがちです。異常があった項目だけをチェックする方式にすると、異常なしの日は走行距離の入力だけで終わり、負担が大きく減ります。記録の目的は「全項目を埋めること」ではなく、異常の兆候と、点検していた事実を残すことだからです。
実際に使っている点検項目は、上の3か所を並べ替えた次の12項目です。
車両日常点検簿 はこの方式で作っています。車両に貼ったQRをドライバーがスマホで読み取り、12項目のうち異常があったものだけを選んで、走行距離と気づいた点を入力します。管理者側では本日の点検状況(未点検・異常あり)がひと目で分かり、当月分は点検簿PDF、履歴はCSVで出力できます。
車両日常点検簿
車両QRラベルを発行して貼るだけ。ドライバー側はアプリのインストールもログインも不要です。
記録が効いてくる場面
- 予兆に気づける:「オイルの減りが早い」「同じタイヤの空気圧が毎回低い」といった繰り返しは、単発の点検では見えず、記録が残って初めて見えます。
- 点検していた事実を示せる:万一の事故やトラブルの際、日々の点検を続けていたことを示す資料になります。
- 担当者が変わっても引き継げる:紙の点検表は保管と集計が煩雑になりがちですが、履歴が残っていれば車両ごとの状態をそのまま引き継げます。
異常が見つかったら
まずその場で運行の可否を判断します。ブレーキ・タイヤ・灯火類など安全に直結する項目に異常があれば、無理に運行せず整備工場などに相談してください。あわせていつ・どの項目に・どんな異常があったかを記録しておくと、修理の判断材料になり、同じ箇所の再発にも気づきやすくなります。
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よくある質問
日常点検では何を見ればいいですか?
日常点検はどのくらいの頻度で行いますか?
白ナンバーの社用車でも日常点検は必要ですか?
日常点検の記録は残さないといけませんか?
毎回すべての項目を書くのは大変では?
点検で異常が見つかったらどうすればいいですか?
この記事で使えるツール
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、税務・法務・会計上の助言ではありません。 制度や要件は変わることがあります。重要な判断は、必要に応じて専門家にご相談ください。